皆さんこんにちは!
栄達鋼業、更新担当の中西です。
さて
栄達鋼業のここがミソ~part8~
鉄則
ということで、鉄骨加工を成功させるための「6つの鉄則」について詳しく解説します。
鉄骨加工は、建築・橋梁・工場・プラント・造船など、幅広い分野で活用される構造物の基盤となる技術です。鉄骨の品質や精度が低いと、建築物の強度不足や耐震性の低下、施工不良につながり、大きな事故を引き起こす可能性があります。
そのため、鉄骨加工には「設計」「切断」「溶接」「組立」「品質管理」「安全管理」といった各工程で守るべき「鉄則」が存在します。
1. 鉄則① 精密な設計と計画の徹底|ミリ単位の誤差を許さない
① CAD・BIMを活用した正確な設計
✅ CAD(Computer-Aided Design)による詳細設計
- 施工図・加工図を正確に作成し、部材ごとの寸法・接合部の仕様を明確化。
- 誤差の許容範囲(±1mm以内)を厳守し、部材の寸法精度を確保。
✅ BIM(Building Information Modeling)の活用
- 3D設計データを利用し、鉄骨の干渉チェックを事前に行う。
- 建築現場とのデータ共有をスムーズにし、施工ミスを防止。
② 鉄骨の種類と規格を正しく選定
✅ 建築基準法・JIS規格に基づく材料選定
- 主要な鋼材(H形鋼、角形鋼管、C形鋼、鋼板など)の特性を考慮し、最適な部材を使用。
- 耐震建築には「高張力鋼材」を採用し、強度を確保。
✅ 鉄骨の品質基準を遵守
- JIS規格(JIS G 3101・JIS G 3136など)に適合した鋼材を使用。
- 規格外の鉄骨を使用しないことで、耐久性を確保。
2. 鉄則② 高精度な切断加工|寸法精度を守る
① 適切な切断方法の選定
✅ 切断方法の特徴と選び方
- レーザー切断:精度が高く、薄板の加工に最適。
- プラズマ切断:中厚板の切断に適し、高速加工が可能。
- ガス溶断(酸素切断):厚板(20mm以上)の切断に適用されるが、精度がやや劣る。
② 切断面の仕上げとバリ取りの徹底
✅ 切断後のバリ取り・グラインダー仕上げ
- 切断面の歪み・バリを取り除き、溶接時の密着性を向上。
- 手作業または自動研磨機を使用し、部材ごとの仕上げを統一。
✅ 精密測定を実施し、誤差を最小限に抑える
- ±1.0mm以内の精度を厳守し、現場での組立精度を確保。
- ノギス・マイクロメーター・三次元測定器を使用し、寸法確認を徹底。
3. 鉄則③ 高品質な溶接技術|強度と耐久性を確保する
① 適切な溶接方法の選定
✅ 溶接方法の選択基準
- アーク溶接:一般的な建築鉄骨の接合に使用。
- TIG溶接:精密部品やステンレス加工に適用。
- 半自動溶接(CO2/MAG溶接):高速・高品質な溶接が可能で、大量生産向け。
② 溶接欠陥の防止
✅ 溶接欠陥(ブローホール・クラック・スラグ巻込み)を防ぐ
- 適切な電流・電圧設定を行い、安定した溶接ビードを形成。
- 前処理(酸化皮膜除去・脱脂)を徹底し、溶接品質を向上。
✅ JIS Z 3020に基づく溶接検査を実施
- 超音波探傷検査(UT)・磁粉探傷検査(MT)を実施し、内部欠陥をチェック。
- X線検査(RT)を用いて、溶接部の内部品質を確保。
4. 鉄則④ 正確な組立とボルト締結|耐震性能を向上
✅ 組立時の基準を厳守
- 溶接・ボルト接合の順序を守り、精密な位置決めを行う。
- 鉄骨同士のズレを防ぐため、専用治具を使用。
✅ 高力ボルトの適正な締付け
- S10Tボルトを使用し、規定のトルク値で締結。
- トルクレンチを使用し、均一な締付けを実施。
✅ 現場との誤差調整を考慮
- ボルト穴の精度(±0.5mm)を確保し、現場での組立をスムーズにする。
5. 鉄則⑤ 品質管理と安全管理の徹底
✅ 完成後の検査を徹底し、不良品を出さない
- 超音波探傷検査(UT)、磁粉探傷検査(MT)を活用し、内部欠陥を除去。
- 寸法・外観検査を行い、誤差が基準内であることを確認。
✅ 作業者の安全管理を徹底
- 溶接作業時は防護マスク・耐熱手袋を着用し、火傷事故を防ぐ。
- 鉄骨の搬送時はクレーン操作を慎重に行い、墜落・転倒を防ぐ。
6. まとめ|鉄骨加工の鉄則を守り、高品質な構造を実現する
✅ CAD・BIMを活用し、ミリ単位の誤差を許さない設計を行う。
✅ 切断精度を向上させ、バリ取りや仕上げを徹底する。
✅ 溶接品質を確保し、欠陥のない接合を実施する。
✅ 組立精度を向上させ、高耐久な構造を実現する。
✅ 品質管理と安全対策を徹底し、作業者と建物の安全を守る。
これらの鉄則を守ることで、長寿命かつ高強度な鉄骨構造を実現し、安全で信頼性の高い建築を支えることができます。
