オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2025年2月24日

栄達鋼業のここがミソ~part8~

皆さんこんにちは!
栄達鋼業、更新担当の中西です。

 

さて

栄達鋼業のここがミソ~part8~

鉄則

ということで、鉄骨加工を成功させるための「6つの鉄則」について詳しく解説します。

鉄骨加工は、建築・橋梁・工場・プラント・造船など、幅広い分野で活用される構造物の基盤となる技術です。鉄骨の品質や精度が低いと、建築物の強度不足や耐震性の低下、施工不良につながり、大きな事故を引き起こす可能性があります。

そのため、鉄骨加工には「設計」「切断」「溶接」「組立」「品質管理」「安全管理」といった各工程で守るべき「鉄則」が存在します。


1. 鉄則① 精密な設計と計画の徹底|ミリ単位の誤差を許さない

① CAD・BIMを活用した正確な設計

CAD(Computer-Aided Design)による詳細設計

  • 施工図・加工図を正確に作成し、部材ごとの寸法・接合部の仕様を明確化。
  • 誤差の許容範囲(±1mm以内)を厳守し、部材の寸法精度を確保。

BIM(Building Information Modeling)の活用

  • 3D設計データを利用し、鉄骨の干渉チェックを事前に行う。
  • 建築現場とのデータ共有をスムーズにし、施工ミスを防止。

② 鉄骨の種類と規格を正しく選定

建築基準法・JIS規格に基づく材料選定

  • 主要な鋼材(H形鋼、角形鋼管、C形鋼、鋼板など)の特性を考慮し、最適な部材を使用。
  • 耐震建築には「高張力鋼材」を採用し、強度を確保。

鉄骨の品質基準を遵守

  • JIS規格(JIS G 3101・JIS G 3136など)に適合した鋼材を使用。
  • 規格外の鉄骨を使用しないことで、耐久性を確保。

2. 鉄則② 高精度な切断加工|寸法精度を守る

① 適切な切断方法の選定

切断方法の特徴と選び方

  • レーザー切断:精度が高く、薄板の加工に最適。
  • プラズマ切断:中厚板の切断に適し、高速加工が可能。
  • ガス溶断(酸素切断):厚板(20mm以上)の切断に適用されるが、精度がやや劣る。

② 切断面の仕上げとバリ取りの徹底

切断後のバリ取り・グラインダー仕上げ

  • 切断面の歪み・バリを取り除き、溶接時の密着性を向上。
  • 手作業または自動研磨機を使用し、部材ごとの仕上げを統一。

精密測定を実施し、誤差を最小限に抑える

  • ±1.0mm以内の精度を厳守し、現場での組立精度を確保。
  • ノギス・マイクロメーター・三次元測定器を使用し、寸法確認を徹底。

3. 鉄則③ 高品質な溶接技術|強度と耐久性を確保する

① 適切な溶接方法の選定

溶接方法の選択基準

  • アーク溶接:一般的な建築鉄骨の接合に使用。
  • TIG溶接:精密部品やステンレス加工に適用。
  • 半自動溶接(CO2/MAG溶接):高速・高品質な溶接が可能で、大量生産向け。

② 溶接欠陥の防止

溶接欠陥(ブローホール・クラック・スラグ巻込み)を防ぐ

  • 適切な電流・電圧設定を行い、安定した溶接ビードを形成。
  • 前処理(酸化皮膜除去・脱脂)を徹底し、溶接品質を向上。

JIS Z 3020に基づく溶接検査を実施

  • 超音波探傷検査(UT)・磁粉探傷検査(MT)を実施し、内部欠陥をチェック。
  • X線検査(RT)を用いて、溶接部の内部品質を確保。

4. 鉄則④ 正確な組立とボルト締結|耐震性能を向上

組立時の基準を厳守

  • 溶接・ボルト接合の順序を守り、精密な位置決めを行う。
  • 鉄骨同士のズレを防ぐため、専用治具を使用。

高力ボルトの適正な締付け

  • S10Tボルトを使用し、規定のトルク値で締結。
  • トルクレンチを使用し、均一な締付けを実施。

現場との誤差調整を考慮

  • ボルト穴の精度(±0.5mm)を確保し、現場での組立をスムーズにする。

5. 鉄則⑤ 品質管理と安全管理の徹底

完成後の検査を徹底し、不良品を出さない

  • 超音波探傷検査(UT)、磁粉探傷検査(MT)を活用し、内部欠陥を除去。
  • 寸法・外観検査を行い、誤差が基準内であることを確認。

作業者の安全管理を徹底

  • 溶接作業時は防護マスク・耐熱手袋を着用し、火傷事故を防ぐ。
  • 鉄骨の搬送時はクレーン操作を慎重に行い、墜落・転倒を防ぐ。

6. まとめ|鉄骨加工の鉄則を守り、高品質な構造を実現する

CAD・BIMを活用し、ミリ単位の誤差を許さない設計を行う。
切断精度を向上させ、バリ取りや仕上げを徹底する。
溶接品質を確保し、欠陥のない接合を実施する。
組立精度を向上させ、高耐久な構造を実現する。
品質管理と安全対策を徹底し、作業者と建物の安全を守る。

これらの鉄則を守ることで、長寿命かつ高強度な鉄骨構造を実現し、安全で信頼性の高い建築を支えることができます。

 

 

apple-touch-icon.png